読書も

 

村上春樹の新作は、

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の

世界観を引き継ぐもの。

まあ、小説としての出来や、物語性なんかは、

「世界の終わり~」の方が、ずっとレベル高いと思うけどな、

でも、まあ、これだけの長編が新作として発表されて、

いつもの村上ワールドが堪能できるのはありがたい。

村上春樹ノーベル文学賞を取れないのは、

その性的な表現にあると思うけど、

今回は、そんなものも少なめで、まあ、近づいたのではないでしょうか。

 

平野啓一郎さんによる三島由紀夫論、

まだ読んでる途中だけど、まあ面白い、というかなるほどって感じ。

自分も、高校生の頃かな、三島には随分とハマって、

片っ端から読み耽ってた時期があった。

「豊穣の海」四部作なんかは、いまだに読み返すこともあるし、

その美しい文章には、感心することしきりではあるけどな。

で、平野さん、

代表的三島作品を取り上げた解説は、納得感もあって、

謎解きとして読むと、面白いです。

 

やはり今村夏子さんの作品は、発想の面白さと、

独特の世界観と、少し毒のある人たち、

この感覚が魅力で、

続いて欲しいもの。

 

今になって、西加奈子さんの代表作を読む。

どんどん読めて、面白い作品とは思うけど、

何かが残るかは微妙でもある。

女性が書く男性目線の主人公って、

女性が読むと納得しちゃうのだろうけど、

男性が読むと、ちょっと違うかな、

別にどちらがどうとかはないけれども。

主人公が村上春樹の小説に出てくるみたいな万能感あって、

それもちょっとな、と思う。