楽器を作ること

僕らが作ったギターの名器 (文春新書)

僕らが作ったギターの名器 (文春新書)

ことエレキギターに関して言えば、
素人にだって作るのは簡単だ。
出来合いのパーツ買ってきて、
適当に組み立てるだけで、一応らしくなる。
自身に高度な木工技術がいる訳でもない。
あとは、ボディ材とピックアップにどれだけお金をかけるかくらいの差か。
 
でも、もちろん
そこにこだわりやら思想がないなら
それはただの工作に過ぎず、楽器であっても
プロの使用に耐えるものじゃない。
まあ、ギターに限らず、何にでも言える事だよな。
 
そんなギター作り、楽器作りに
歴史的に関わって、「サウンドデザイン」を貫いた人の回顧録
みたいな本。
Mad Catのテレは、昔は憧れだったもの。
 
楽器作りという点では、自分もかなり近くにいるのは事実で、
音の追求の仕方とか、本物を求める思い入れとか、
考えさせられたりもして、
少しだけだけど...。
 
そして、著者が今、楽器作りから離れた理由、
「仕事をしていても、真剣に音に向き合おうとすればする程、
腹の立つ事が増えていった。何より力をそがれたのは、周囲を
見渡したとき、心から音楽を求めている人が誰もいなくなっていた事だった。」
これは、身につまされるんだけど、
けど、そこでやめちゃぁ、ねぇ....。