悲しいことばっかり

デビューしたての3人組時代のRCサクセション
アコギを抱えていたし、「僕の好きな先生」が少し売れたりしたもんで、
フォークグループって紹介されることが多い。
RCは、フォークグループから、突然ロックへ転身したみたいな。
でも、ファンの人は知ってることだけど、
この時代のRCはとてもじゃないがフォークなんて音楽をやっちゃぁいない。
叩き付けるようなギターの音と心の底から絞り出す様に叫ぶ清志郎の言葉は、
辛辣であり、絶望的であり、皮肉に富んでる。
ただでさえ数少ない客を罵倒して、どんどん自分たちを追いつめているような
これから来る暗黒の時代を予期しているようなライブ、
まさにロックの初期衝動そのものがそこにある。
 
そんな時代の未発表曲を含むブート音源がCDになって発売。
ファンが客席でラジカセで録音してたカセットテープから起こされたもので、
これこそがブートそのもの、そして、あまりに貴重。
 
こうやって聞いてみると、
ホントに清志郎という人は全く持って、ブレない人なんだというのが良くわかる。
マスコミに興味本位から取り上げられやすい政治的な曲だけを聞いて
批判する人もいるけど、
そんなことが全く無意味であることが良くわかる。
初めから、怒りの曲も、ラブソングも、何気ない日常を歌ったような曲さえも
ストレートに清志郎のなかから湧き出た言葉そのものなんだな。
その時に歌いたいことをそのまま歌うって言う、
当たり前の事を最後まで貫き通した人なんだ
でもそれって誰も真似出来ない事、
だから、キングなんだ、な。