バンクシー!


「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」
バンクシーが作ったドキュメンタリー、
公開からずいぶん経ったけど、やっと浜松にやってきたよ。
 
ストリートでグラフィティ・アートを表現し続けるアーティスト、
バンクシーだけを追ったドキュメンタリーかと思ってたら、
ずいぶんと違った内容で、良い意味で裏切られた気がする。
有名になりすぎてオークションで作品が高値で取引されたり、
作品として展示されたりする事への抵抗のような、
叫びが聞こえる作品で、
ドキュメンタリーの部分と、そうでない部分とが入り交じってるような感じだ。
初めは「クソのような作品をバカに売りつける方法」ってタイトルにしたかったとか、
そして、訴えるのは、ミスターブレインウォッシュの名を借りたバンクシーの復讐だ。
これは痛烈、というか、どこまでがトリックなのか
見る人は気がつかないだろう。
 
ポップアートとか、ストリートアートとか、
既存の価値観への抵抗のようなそぶりさえ見せれば
何でも高く評価されるみたいな、おかしな時代はもうたくさんだよ。
それでも、それがあたかも芸術への理解者で
自分のステータスを示すみたいなふりで、大騒ぎは続くのか。
 
「アートっていうのは誰でもやるべきだと思ってたけど違ったみたいだ」
っていう台詞は良くわかる、けど。
色んなことを考えさせてくれる秀作映画で
がんばって会社帰りに見に行ったかいがあったな。
 
ところで、改装されて初めて行った「シネマe〜ra」、
映画館がシネコンばかりになった浜松の中で、
小粒でも良質の映画がかかる、
学生時代に通った東京の名画座みたいで、これからも期待しちゃうよ。