6月の風

6月らしい青空と風の土曜日、
庭の野菜たちに肥料をやって、
夏に向けて衣替えもして、
久しぶりに靴を洗って、
色んな事を考えて、考えて、考えて、
分からなくなって寝てしまう、な。
 

レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)

数年前、高村薫作品にはまりまくってた時期があって、
その時にハードカバーで読んだ作品が映画化ということでか、文庫化。
で、もう一度本棚から引っ張り出してきて読み始めた。
 
マークスの山」や「照柿」でも感じてたことだけど、
この作品ではさらに、文章の緻密さや、
社会や人間の深層を見つめる力強さが強靭で、
現代の日本文学の真正面な到達点とも言える骨太な作品。
 
ただ、あまりの孤高さ故に、読むのにはやはりパワーが必要で
誰にでも受け入れられるものでも無いんだろうな、
自分もここ数年は少し軽いものばかりを読んでいて
ちょっとこの作品の再読には手がのびなかったのも事実。
この辺りが、非常にテレビドラマ的な作品の
山崎豊子との差なんだろう、か。
  
でも、こういった作品を改めて読むと
考える意味や読む意味も書く意味も
価値として、少しだけ、分かるような気もするんだ。