ストーンズがいる

夢のような3日間が終わった。
凄まじいとか、別格とか、ライブレポートには、そんな言葉が並ぶ
でも、そんな言葉をいくら並べても言い足りないくらい
素晴らしい体験だった。
 
50年間走り続けて、今でも同じようにロックしてて、
でも、それが懐かしい、みたいな感想に決してならない、
まさに現役感。
何で彼らがこれほどまでに長く、世界最高のロックバンドとして君臨しているのか
それは、理屈など何も必要ない、
ただただ、歌い踊る、ロックそのもの原点みたいなもの、
その真実を見せつけられた3日間でした。
 
特にミックの凄さには言葉が無い。
キレキレの動き、激しいシャウト、観客へのサービス、
そしてステージの端から端まで走り回り歌い、踊る。
それがキースコーナーを除けば2時間ずっと続いてる
マスコミは年齢的なものばかり取り上げるけど、
ローリングストーンズのフロントマンという
誰にも想像できないような人生を歩んで来たからこそ、
一般人には理解できない場所にいるんだろうな。
 
 
以下は今回の公演で感じたことのメモ。
 
3日間も行くの?同じなんでしょう?とは何人かに言われたけれど、
ストーンズのライブって、1回限り感がものすごく大きい。
同じ曲でも毎回演奏が異なるし、今回はそれに加えて曲の入れ替えもかなりあって
全公演が見れて本当に良かった。
だってさ、日本にストーンズがいるっていうのに、
ライブを見に行かないなんて考えられるかい?
 
そんな中で個人的にベストだったのは、3月4日のライブ。
セットリスト、メンバーの特にキースのコンディション、会場の盛り上がり、
そして、個人的な思い、もしかしたら今まで見た中でも最高のライブだった。
ただ、3日間の中で、最高の一曲をあげるとすると、
3月6日 最終日のサティスファクション。
ミックの気迫がものすごかった。最終日の最後の曲ということもあるけど、
ここまでやるかという激しい動き、観客へのサービス、
いつのもサティスファクションよりもずいぶん長めで、
まさに燃え尽きた最後だった。
 
演奏に関しては、確かに突っ込み所は満載。
特にキースのギター。 イントロとちったの何回あったか、
キメが入らなかったり、タイミング間違えたり、なかなか厳しい。
そんなハラハラ感があるんだけど、ただ、そのキースのギターが
あの独特のルーズでブルースな心地よいノリを作り出してるのが事実で、
まあ、良く言う台詞ではあるかど、それがロックって言うのは良くわかる。
 
あと、キースが間違えた時の、ミックのフォローが凄いんだ。
歌い難い部分もあるんだろうけど、キースのよれよれのギターから
強引に曲を始めたり、終えたりの対応は感動もの。
ストーンズがここまで続いていることに対しての
ミックの努力って、想像を絶すると思うけど、
やっぱりエンターティナーとして、いつだって観客を喜ばせようという
プロ意識が凄いんだろうな。
 
観客におじさんが多いことは想像通りだけど、
意外に若い人も多くて幅広い観客層だった。
初日に隣にすわった若い娘さん。一人で来てたけど、
ずいぶんと気合いが入ったファンみたいで、すごいな。
全ての曲でキメも覚えていたし、大きな声でずっと歌ってた。
若い人でこういったファンがいるのはとってもうれしいね。
 
逆に、たいした思い入れも無く、有名曲しか知らずに来るおじさん、
と連れられてくる奥さん、
これはノリは悪いは、帰りが混むからって途中で帰っちゃうはで、興ざめ。
まあ、日本に5万人以上の熱狂的なストーンズファンがいるわけないので、
こういった人も来ないと満員にならないんだけど、
もう少し、勉強してほしいもの。
なぜにストーンズを座ったまま固まって見れるのかな
何のための席とか、言ってるし。
 
でも中には、ものすごいコアなファンのおじさんとかおじいさんとかいるんだな。
全身ベロマークで、衣装は自作でしょうか?
それで、共通してるのはおじさんでも足が細い。
これはロックに必須だよね。カッコいい。
 
最終日の布袋さんのゲスト出演。
ストーンズファンにしてみれば、がっかりだった人が多いだろう。
自分も同じだけど、
まあ、彼のブログを読むと気持ちも判るので良しとしよう。
それでライブの評価が変わる訳でもないし。
 
毎回、ツアーグッズの販売は長蛇の列で、ピーク時は2時間待ちくらいか、
ベロマークは、ストーンズを離れてロックアイコンの代表として
ファッションアイテムにもなってるから、
ライブ見なくても、グッズだけ買いにくる人もいたみたい。
でも、今回のTシャツ、もう少しバリエーションが欲しかったな。
 
今は、終わっちゃったなぁー、って言う抜け殻感が大きいけど、
でも、今回参加した人はみんな感じたと思うけど、
これが最後なんて、とても思えない、
まだまだ、続くことを予感させるステージでした。
そして、沢山の感動と、いろんな気持ちを、受け取った、
凄く、前向きになれるライブだったよ。
 
まあ、
ミックはあと20年は歌えるよね。