職人肌

OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜(初回限定盤)

OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜(初回限定盤)

レンタル開始まで待つつもりだったんだけど
結局買ってしまった、
最近流行のオールタイムベスト盤。
 
申し訳ないんだけど、いつもは山下達郎って苦手。
何でだろう、
歌のイメージと、あまりに違う本人のギャップというか、
そこに、人が現れていないからなんだろうと思う。
例えば、ストーンズ清志郎も、ゆらゆら帝国だって、
曲がその人そのものとして存在するんだけど、
この人は、歌の作り手として職人に徹してしまってるところが
ロックとかけ離れすぎてるのかな。
究極のカーステレオソングで、そういう聞き方をする人にとっては、
最高のクオリティの曲たちってのは判る。
ただ、そこにあるのは、
ロックの初期衝動みたいな突き抜け感、不安定さ、危うさ、
みたいなものとは全く持って正反対のもので、
どっしりと安定した音楽だ、
そしてそれが意味するところ、伝えるところは、
あえて言うなら、わかりやすい愛だろう。
 
ただ、
そんなこと言っておきながら、
待ちきれずにこうしてアルバムを買ってしまうのは、
時々、この人の歌を妙に聴きたくなるからで、何故かな、
CMや映画の音楽での刷り込みで、いつのまにか
覚えてる曲はたくさんある。
ユーミンなんかもそうだけど、時代背景や個人的な思い出が
鮮明に蘇る音楽ってのは、
聞くだけで、胸がキュンとなるものだ。
それを呼び覚ますのも、職人に徹してるが故の
声とサウンドの完璧さと心地良さ、これがあってのこと。
そして、それって、
やっぱり、歌そのものに力があるから、
なんだろうなって思う。