誰も知らない

清志郎はいわゆるネットの世界を痛烈に批判して嫌ってた。
いつだって目の前の敵に向かって
ユーモアを持って挑んでいた清志郎の存在は
賞賛と同じくらい批判も浴びただろうし、
陥れようとする力も大きかったはず。
でも、清志郎は自由に発言する裏にある責任も
そのまままともに受け止めていた。
 
そう、ネット世界の、匿名じゃなきゃ言えない無責任な言葉の数々に
嫌気がさすのも無理は無い。
  
あの日から今まで、ずいぶんと色んな人の文章を読んだ。
業界関係者に惜しむ声がとても大きいのは、
やっぱり、清志郎しかいなかったから、なんだろう。
みんなが、彼を頼りにして、救いを求めていた。
ホントの事を言ってくれるのは、彼しかいない、って思ってた。
まさに「核」だった。
でも、そんな人たちの大勢は、清志郎の魂を引き継ごうなどとは
まったく思わないだろう。
 
清志郎がいなくなって、
日本のロックはなんにも無くなった。